中国滞在記
10日目 日帰りで遠出しました
どうもロッシーです。
日曜日の今日はかねてから社長に連れってくれと僕が切望してた場所に連れてってもらいました。
朝9時に出発。高速で一路蘇州から南の方へ。
中国のサービスエリアをご紹介。
こんな感じ。殺風景。テーブルと売店と簡単な軽食が売ってあります。
って実は最近の中国のサービスエリアはどんどん日本風な感じに変わろうとしておりまして、
ここも本館は改装中でプレハブでの営業なのでございました。
おきまりの鳥とか鴨の焼き物。みんな大好きです。街中にもいたるところにあります。
拡大してみてもろたら分かりますが、頭舌首足手羽肝臓など全ての部位に分けて売ってあります。
クリックで拡大です!!最近そういうことができるのを覚えました!
中国ウインナー
■香腸
甘くて油分多めでクシュッとした食感。でもクセになる美味しさです。
日本では腸詰めと呼ばれております。
鉄板豆腐やら餅(ピン)サンドやらピンのなんか具の入ったやつやら売られておりまして、
飛ぶように売れてました。
セクシー下着も売ってました。
気になるおトイレは結構きれいでしたよ。掃除の人が付きっきりで掃除してくれてました。
以前の中国とはもう全然違うなーって感じました。
車で走る事2時間半くらい。高速を降りてこんな山道まで。てかめっちゃ田舎です。
山間の小道を抜け目的地が見えて来ました。
はい!どうしても行きたかったところはここ!
『浙江老字号 百歳堂』です!
浙江は浙江省、老字号は老舗という意味です。百歳堂はブランド名です。
おばあちゃんがめっちゃ疑わしい顔で門扉を開けてくれました。
はい、拡大して見てみてください。これ何かわかりますか?
別に拡大しなくても近くで撮った写真ありますが、これは積み上げられた甕たちでした。
そうなんです。ここは紹興酒ブランド『百歳堂』の製造工場でした。
やってきたのは蘇州から南へ約200キロの位置にある紹興市です。
その町の名前の通り、この町では紹興酒の製造がむっちゃ盛んなんです。
盛んというか、この紹興市で作ったお酒しか紹興酒と名付けることができません。
どういうことかと言うと、
中国には『黄酒(ファンチュウ)』と呼ばれるお酒があり、
作り方は、もち米と小麦を麹で発酵させて3年以上寝かすという方法です。
中国各地で製造されております伝統的なお酒です。『老酒(ラオチュウ)』とも呼ばれております。
ここ紹興市で作られてるお酒も例外なく同じ製法で作られてるのですが、
紹興市で作られるお酒は昔からひときわ美味しいと評判だったのです。
そこで紹興市で作られた黄酒を特別に『紹興酒』と呼び、中国全土に広がって行ったのです。
今では紹興酒が黄酒のことを指すくらい紹興酒の名前の方が勝っていますが、厳密に言うと紹興市以外で作った酒は紹興酒ではなく、ただの黄酒です。これは中国の法律で決まってあるのですよ。
要はシャンパーニュ地方で作るからシャンパンと呼び、それ以外はスパークリングと呼ぶみたいなことですね。ここ間違ってたらすみません。
そして今この紹興市には国営の酒造メーカーが6社あります。
皆さんも日本で見たこともあると思いますが、有名どころでは『古越龍山』や『塔牌』などですね。
今でこそ日本で格安で手に入るようになりましたが、そこには昔ながらの製造方法ではなく、特殊な製造で一年を通して製造する方法があるから安定的に製造・供給ができるようになったのです。
決してそれが良いとか悪いとかはわかりませんが、ここ『百歳堂』は昔ながらの製法で、すべて手作業で、伝統的な製造を守り通してる紹興酒メーカーなのです。
とにかくここに行きたくて社長に電話してもらって、なんとか工場見学させてくれと頼んでもらいました。
そしたらなんと一発OK、喜んで行ってまいりました。
快くOKしてくれた陳経理。百歳堂創始者のうちの一人のお孫さんだそうです。最初は数人が集まって始めたみたいです。
タバコを持ってるのは中国の習慣で配りタバコをするからそれをもらって吸うのがマナーなのです。
吸えない人はいらないと言ってもええんですけどね。
若干24歳ですごい頑張ってるのが後からわかるのですが、とにかくこの方に案内してもらい色々教えてもらいました。
まずはじめはもち米貯蔵タンク。この裏にもありずらーっと並んでました。
もう今年のもち米は全て使用して空っぽでした。
もち米をこちらで蒸します。これは蒸し機。
これは小麦を足で踏んで固めて乾燥させたものです。
こんな感じで積み上げられております。これが乾燥させる昔からの「積み方」だそう。
蒸したもち米と先ほどの乾燥した小麦をこの大きな壺?甕?に入れて、麹菌を入れます。
フチに書いてある数字は28度で発酵するという意味です。これは全て職人さんによる感覚だそうです。
これは今朝仕込んだやつです。
これは壺?甕?の貯蔵倉庫。気温の管理は全て窓の開閉で行います。これも全て職人さんの感覚。
壺の中の温度が28度前後です(発酵すると壺の中の温度が少し上がるみたいです)。
なので実は夏には紹興酒は製造できないのです。ですのでここ百歳堂では一年分をこの時期に仕込みます。夏場は工場はお休みみたいです。
これは携帯の ISOを駆使して撮ったやつです。
これは発酵させて3日目の壺。もうリアルタイムでブクブク言ってました。
動画も撮りましたのでUPしたいのですが、そろそろ書きながら「誰が興味あるねん」って思って来てしまってます。
でも続けます。
説明してくれたむっちゃ陽気な職人さん1
陳経理に向かって「おい坊主!お客さんか?」って言ってまして、
陳経理も「そうなんです師父、日本から紹興酒に興味があるからとわざわざ来てくれたんです」って伝えると、
「よし!坊主のお客さんなら俺が案内しよう」と言って「奥へ案内するぞ」と指さしてる瞬間を捉えた1枚です。
と言うのも、この百歳堂のお酒作りは誰でもできるわけではないのです。発酵の見極めなど全て職人頼りです。
陳くんも勉強してるそうなのですが、陳くんは基本創始者グループなので会社経営の方に回ります。下も育ててるのですが、
なかなかこんな山奥の田舎までキッツい仕事する若人は見つからなく、苦労してるそうです。
なので陳くんはすごい職人さんを大事にするし、すごい勉強するし、それでここの工場の人皆から愛されてるというのがすごい伝わってきました。
年季の入ってる風なかき混ぜ棒。毎年変えるんですって。
続いて瓶詰め工場。こちらは近代的な設備が整ってましたよ。
瓶詰め後に90度の熱湯で消毒。全ての菌が消えるそう。
消毒後の製品たち。並べ方がさすがです。
紹興酒に限らず黄酒は最低三年は寝かさないと出荷できません。
こちらのエリアは7~8年寝かせてる貯蔵庫。
年季入ってるでしょ。
事務所兼貯蔵庫。
地下室の貯蔵庫も見せてもらいました。
むっちゃひんやりです。写真撮ってる間においていかれて嫌でした。
地下室。ISO駆使してます。
こちらは全て12年以上寝かせたもの。何が付いてるんでしょうね。
地下室を見たあとに解散の雰囲気になったんですけど、ちょっと待ってと。
ここまで見せといて試飲させてくれよともう遠慮なく言ってしまいました。
すると2階の応接室に。なんや~こんなええとこあるんやんか~って思いました。
空けてくれたのは12年もの!さすがや!ゆーてみるもんやで!
ライターの火で炙ってあけます。
6年ものも頂きましたが見てくださいこの色の違い!
6年ものもめちゃくちゃ美味しいのですが、12年の前だとほんまに酸っぱくて軽い感じがしました。
12年ものはもう酸味も少なくその分甘くまろやかで濃厚ですんごい丸いんです。なんかほんまに感動しました。
手作業で作るし場所も広くないし、その分希少なお酒となっているんですよねー。
まー古いからええとは一概には言えないのが紹興酒の面白いところで、料理と合わせるなら若くて酸味の強いものの方がええという人もいますしね。でもこれはそんなん抜きにおいしかったです。
おみやげで1本もらいましたので日本に持って帰ります!
今年甕詰めされた新人たち。これから寝かしに入ります。
陽気な職人さんたち2
めちゃくちゃ陽気。奥の水色の人が職人さんで、手前がお弟子さんだそう。
日本から来たというとすんごい喜んでくれてめっちゃええかっこして甕を開けてくれた。
「今写真撮って!」とかかっこつけながらめっちゃ言うてくれる。
この山間の気温と何よりも綺麗な空気がお酒作りには欠かせないと陳くん。
めちゃくちゃ勉強になりました。突然の訪問にもかかわらずめっちゃ丁寧に接してくれて本当に感謝感激でした。
ちなみに紹興酒が美味しいとされる理由は紹興市にある『鑒湖( かんこ)』という湖の水を使用しているからと言われております。
はい、ということで大満足で工場を後にしたわけですが、本当に来て良かったです。
大変勉強になりました。
せっかく紹興市まで来たので市中心部まで散策。
こちら、紹興市の観光スポット、魯迅の家でございます。
魯迅といえば中国を代表する作家です。いち早く西洋的手法を取り入れて、
日本の仙台にも留学に来ており、あの文化大革命を起こした毛沢東に、「魯迅は重要な文化財産だ」と言わせた人ですね。
日本の中学の教科書にも魯迅の「故郷」という小説が載っておりますので誰もが皆一度は触れたことがあるのです。
気になる方はウィキペディアへどうぞ。僕も偉そうに言うてますが魯迅に関してはペディッてます。
上の写真の左側がこんな感じの水路になっててええ雰囲気でした。
「魯迅祖居」魯迅の元祖の家ってことですね。
あの通りの右側です。
露店が立ち並んでます。
紹興市はまた臭豆腐でも有名。等間隔に臭豆腐屋があるからずっと臭い。
さすがに紹興酒も売ってます。
紹興酒の館。
魯迅の家の玄関前で記念撮影やけども、人は横切ってるし、自分の頭で看板隠れてるし。
撮ったのはもちろん社長です。
玄関入ったとこ。
ええ感じの中庭。
ええ感じのくぐるやつ。
ちなみにくぐるやつの足元の盛り上がってるところは踏まずにまたぐのが礼儀みたいです。
知らずにガンガン踏み越えてました。
魯迅の寝室。
厨房
裏庭。
家の中にある感じのええ池。社長はええねん。
てか魯迅ただの金持ちやないかぇ。バリデカイねん家。
作家の家らしく、名前を書くとその名前の文字を使って即興で詩を書いてくれる。
はい、読めますかね。なんの名前を書いたかは秘密。
めっちゃ縁起がええとやたら褒めてくれましたよ!サービストークでも喜んだもん勝ちです。
綺麗けど隣でやりにくいトイレ
はい、ということで魯迅の家はともかく、百歳堂にはまじで大感激いたしました。
なんか伝統あるものを守り続けていくということにすごく惹かれてしまいます。
ああやって伝統を守ろうとする若い方や、それを優しく見守る職人さんたち。
めちゃくちゃあったかかったです。
なんていうか自分たちの作った物に対して絶対の自信とすごい愛情を感じました。
仕事柄今までせわしない中国人を多く見てきたせいか、すごく感動したし、
だからこそ陳くんとは固い約束をして帰ってまいりました。
お休みのところ遠出してくれた社長にも感謝です。おかげで大満足のお休みでした。
帰り道で見かけた車。どこ走ってきてん。
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